フェイクニュースの見分け方

近年、ビジネスに限らず、社会生活を送っていく中でも重要になってきているのが、「フェイクニュース」に騙されないようにすることです。

私の趣味の一つであるVR関連でも、数日前に「Oculus(Facebookの子会社製のVRヘッドセット)Facebookログインが必須に。データは広告ターゲティングに使われる!」というタイトルの記事が技術系のネットニュースサイトに掲載され、プチ炎上しましたが、実際には、OculusでFacebook社関連のサービスを利用するためには、Facebookにログインする必要があるというだけの話でした。
この記事が意図的にアクセス数を稼ごうとして作成されたものなのか、それとも担当ライターの英語力不足から元記事の翻訳を間違えただけなのかは分かりませんが、この騒動で無駄に時間とエネルギーを消耗した人からすれば、はた迷惑な話だと言わざるを得ないでしょう。

ちなみに、この記事に対してのクレームは結構多かったようで、現在では、記事タイトルを「Oculusで一部のソーシャル機能を使いたければFacebookログインが必要に。データは広告ターゲティングに使われる!」に変更されています。

まあ、この程度のことであれば、実害もさほど大きくはありませんが、ニュースの内容によってはフェイクニュースが非常に深刻な影響を及ぼす可能性もありますので、注意が必要です。
では、どうすればフェイクニュースを見分けられるのでしょうか。

情報元の信用性を確認する

まずは情報元(ニュースソース)を確かめることです。
例えば、日本で言えば東京スポーツ、海外で言えばザ・サン (The Sun) のようなゴシップ紙の記事を信用する人はほとんどいないでしょう。
東京スポーツなどは、発行社自体が「東スポの記事を信用する人なんていない」とうそぶいているくらいです。
では、伝統的な新聞やテレビのニュース番組であれば信用できるのでしょうか。
残念ながら、近年ではこの判断基準も揺らいでいます。
朝日新聞やニューヨークタイムズ、BBCなどの歴史のある媒体ですら、最近は報道内容の偏りや誤りが指摘されるようになっているからです。

ただ、幸いにもネット時代の現在では、比較的簡単に、複数の新聞の記事を見比べることができますので、「この記事って本当?」と思うことがあったら、複数のニュースソースを確認し、見比べることで、フェイクニュースを見破れる可能性があります。
また、ネット上で専門家の発言が読めることもありますので、そのような情報を参考にしてみてもよいでしょう。

一次資料を確認する

ニュース記事に情報源に関する言及がある場合は、情報源が公表している情報を確認してみるというのも良い見分け方です。
この手法はニュースソースが情報源が公開したプレスリリースである場合に特に有効です。
この際、インターネットで情報で調べる場合は、ドメインの末尾が「ac.jp」「go.jp」になっているのかに着目しても良いでしょう。
「ac.jp」は大学などの高等教育研究機関に、「go.jp」は政府機関にのみ使用が認められているドメインであるため、情報の正確性を担保できるからです。
近年は、記者の質自体が落ちており、特に科学記事などの専門的な内容の記事については、基本的な部分で認識ミスがある記事も珍しくないとも言われています。
そのような形で、“意図せぬ”フェイクニュースが流されている可能性もありますので、「あれ?」と思ったときには一次資料に当たってみると良いでしょう。

隠している情報が多くないか確認する

上の見分け方とも関係することですが、フェイクニュースの発信者は、自分達にとって都合が良いようにニュースを編集するため、都合が悪い事実については隠す傾向があります。
ですので、複数のニュースソースで記事を見比べたとき、特定の媒体のみ事実の一部を隠している場合は、フェイクニュースの可能性が高いと言えます。

例えば、A社の製品の売上げが、B社の製品の売上げを超えたという記事があった場合、どのような測定条件で超えたのかまで書かれているのかをチェックするといった形です。
年間売上げで超えたのであれば、確かに意味がありますが、売上げで勝ったのは一年の内の1ヵ月だけで、残りの11ヵ月は負けていたのだとしたら、全体としてはフェイクニュース(もしくはA社の製品のステルスマーケティング)だと言えるかもしれません。

ネット検索上位の情報が正しい情報とは限らない

ニュース記事に限らず、ネットで検索して見つけた情報が「フェイクニュース」だったということも珍しくありません。
なぜかと言えば、Googleでも、検索順位決定のためのWebページの内容判定の際に、内容の信頼性を確認できていないからです。
それでは、ネットで探してきた情報は全て信用できないのでしょうか。実は必ずしもそうとは言えません。
Google検索では、Webページの信頼性の確認まではできませんが、他の指標を用いて記事の信頼性を推測するという行動は取られているからです。
詳しくは以下の記事が参考になるでしょう。

グーグル検索では正しい情報を上位表示する……ん? 情報の正しさは判断してないって言ってなかった?
https://webtan.impress.co.jp/e/2019/11/01/34356

要は「YMYL(お金や健康など人間の人生・生命に関わる重要なジャンル)」分野に関しては、「E-A-T(専門性-権威性-信頼性)」が高いWebサイトを優先的に表示するようにしているため、結果として内容の信頼性が高まっているわけです。
最近では、AIを活用した新たな検索アルゴリズム「BERT」も導入され、Webページの内容を文脈から分析することもできるようになってきているそうですので、将来的には、AIがニュースの信頼度を評価し、フェイクニュースやフェイク投稿をはじくようになっていくのかもしれませんね。
まあ、それはそれで怖い部分もありますが……。

執筆者:M.S