正直者が得をする時代が訪れるかも?

年明け早々、ちょっと気になる記事を見かけました。

インフルエンサービジネスの終焉? 過剰消費に異を唱え”オネストレビュー”を求める若者たち
https://amp.review/2019/11/30/anti-influencer-buisiness/

流行りのマーケティング手法としてもてはやされているインフルエンサーマーケティングですが、そろそろ賞味期限が切れてきたということなのかもしれませんね。

Web広告には、ネット環境や新技術、新サービスの登場によって効果的な広告手法が変化していくという特性があります。
通信速度が遅く、ネット検索が一般的でなかった時代には、Yahoo!やNiftyなどのポータルサイト上に掲載されるテキスト広告やバナー広告が人気を博し、Googleが勢力を伸ばしてきてからはリスティング広告(検索連動型広告)が覇権を取ることになりました。
そして、CookieやJavascriptを利用したネット利用者の行動分析ができるようになってくるとリターゲティング広告が幅を利かせ、通信速度が向上してくると動画広告が一般化し、SNSが普及してくると口コミの発展系であるインフルエンサーマーケティングが伸びてくる……といったように、Web広告の流行の変遷ぶりは、まさに万物流転の様相を見せています。

そのような、ある意味「手段を選ばない」方向に進化してきたWeb広告ですが、上の記事にあるように、将来的には「正直さ(honest)」が重視されることになるかもしれません。

Web広告の問題点

近年、Web広告の問題点が指摘されるようになり、個人情報保護等の観点から改善が進められるようになってきています。
これまでネット利用者の行動分析に多用されてきたCookie(Webサイト訪問者の情報をPC、スマホ内に一時保存する仕組み)の取得に、同意が必要とされるようになってきたのもその一環です。

最近、初めてWebサイトを訪問したときに、Cookieの保存を許可するかどうかを問うメッセージが表示されたことはないでしょうか。
これはEUで施行された「EU一般データ保護規則(GDPR:General Data Protection Regulation)」の影響となります。
日本でもこの流れに沿う方向で、Cookieの扱いを厳格にすることが検討されています。

公取委「クッキー規制検討」報道を読む あなたにも他人事じゃない「大問題」の背景
https://www.j-cast.com/2019/11/03371682.html?p=all

また、一部業者が出稿している詐欺的なWeb広告も問題視されるようになってきており、Web広告を取り巻く状況は、かつてと比べて厳しさを増してきています(というか、これまでが無法地帯すぎたとも言えるのですが)。
“ネット広告の闇”については、以下のNHKの特集コーナーが良くまとまっています。

ネット広告の闇
https://www3.nhk.or.jp/news/special/net-koukoku/index.html

Web広告は信用できない?

では、実際のところ、一般的なネット利用者にWeb広告はどのように見られているのでしょうか。
それについて興味深い調査結果がありました。

電車内の広告は好印象?SNS広告はしつこい?『日常に溢れている広告の影響力に関する調査』が実施される
https://ecnomikata.com/ecnews/23354/

サンプル数はさほど多くありませんが、この結果からある程度の傾向は見えてくると思います。
SNS広告が嫌われる理由は、個人の場という意識が強いSNSの画面上にずかずかと踏み込んでくる無神経さが原因と言えるでしょう。
他にも、Webサイト閲覧時にスマホの画面いっぱいに表示されるポップアップ広告なども忌避されがちな広告手法です。
これらの共通点としては、ユーザーが主体的に何か(友人達との交流、情報収集等)をしている時に妨害してくる広告だということです。

かつて、ガラケーで携帯メールが流行った頃、とある有名マーケッターが「女の子にとっては彼氏からのメールが最大のキラーコンテンツ。そこに広告を出しても無視されるだけ」と指摘したそうですが、上記のようなWeb広告はまさにその愚を犯していると言えるでしょう。

Web広告の将来は?

将来、どのようなWeb広告が人気を博するのか、それは何とも言えない部分があります。
ですが、広告効果を突き詰めていけば「ネット利用者の行動を妨げないタイミングで表示される」「詐欺的な内容や過剰な表現を廃した“正直な”表現をする」ものが主流になるのは、間違いないと思われます。

また、知り合いや信用している人の口コミを重視しがちという消費者の傾向から考えると、信頼できる情報を集めるためのクローズドなSNSや情報サイトが流行する可能性もあるのではないかと思います。
その意味では、かつてのmixiのように、招待制で、信用できる人達だけと交流ができるSNSにもワンチャンスあるのでは、と感じたりもします。

なお、Web広告が再編成され、一般のネットユーザーから信用を取り戻すまでの間は、別の種類の媒体を利用した広告も効果的かと思います。
開封率、行動喚起率が高いダイレクトメールや、コンタクトセンターを利用したアウトバウンド営業など、グロップマーケティングはさまざまなオプションを用意していますので、興味を感じられましたら、お気軽にお問い合わせください。

執筆者:M.S