アマゾンはラグジュアリーブランドの夢を見るか?

クラウドサービス「AWS」の好調を受け、一時、時価総額1兆ドルを超えたAMAZONですが、ラグジュアリーブランド(ファッション系のハイブランド)「ルイ・ヴィトン」に送った秋波はあえなく無視されてしまった模様。

「ルイ・ヴィトン」の親会社、19年度はついに売上高6兆円を突破 「アマゾンには出店しない」
https://www.wwdjapan.com/articles/1021117

弱みであるアパレル分野の強化のため、ラグジュアリーブランドの希望に合わせてカスタマイズができる専用ECモールを用意する計画とのことですが、安価なカジュアルブランドの衣料であればともかく、ハイブランドの衣料については、やはり手に取り、試着して確認したいという消費者の意向が強く、先行きの見通しは良いとは言いがたい状況のようです。

発展のカギはインテグリティ

また、以前のコラムでも話題にしたことがあるマーケットプレイスの無法状態も、ラグジュアリーブランドからのAMAZONへの評価を下げる原因となっているようで、LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンの会長兼CEOであるベルナール・アルノー氏は下記のような発言をしています。

「アマゾンの利益はユーザーが出品者から購入するマーケットプレイスでの売買によっている。これは成立した取引から一定の手数料を取るという仕組みのため、アマゾンは模造品などを出品している業者であっても厳しく取り締まらない。同社は、そうした業者が犯罪組織やテロリストの資金源となっている可能性があることを考えるべきだ。世界的な成功を収めているECサイトが犯罪組織とつながりを持ち、それでもうけるのは一般的なことだろうか?皆さんがどう思うかは分からないが、私はショッキングなことだと思う。ECプラットフォームから模造品を一掃するため、やらなくてはならないことがたくさんある」
出典:【WWD JAPAN】最新ファッション&ビューティ情報

洋の東西を問わず、信頼される企業になるためには、やはり“誠実さ”が大切ということなのでしょうね。
一時期、やたらと持てはやされたドラッカーも、企業を動かす経営者には、そもそもの資質として“誠実さ(インテグリティ)”が必要だと主張しています。
誠実さ、真摯さを持たない組織は、たやすく腐敗し、凋落すると指摘しているのです。

商才は西進し、ぐるっと回って極東に回帰する?

最近は陰りが見えるとは言え、日本を経済大国としたのも、おそらくはこの“誠実さ”故だろうと私は思います。

「商才は西進する」という例えがあります。
これは、東京の商人と比べれば大阪商人の方が商売がうまいが、その大阪商人も中国商人には敵わない。だが、中国商人よりもインド商人の方が一枚上手。しかし、インド商人もペルシアやアラブの商人には勝てない。ところが、中東の商人もユダヤ商人には手もなくやられてしまう……。
という風に、西方に行くほど商人の商才は高まっていくというものです。
ちなみにこれにはオチがあり、最強のように思われるユダヤ商人が一目置いているのは実は日本商人だというものです。
まあ、これだと出来過ぎなので、言葉遊びにすぎないのだろうとは思いますが。

とはいえ、実際、信頼性の高い商品と誠実さを武器に日本商人が世界で活躍しているのも確かなことで、映画「バックトゥザフューチャー」でも、故障したタイムマシンの部品を見て、ドク(1955年のアメリカ人)が「日本製か。道理で(粗悪品だ)」と言うのに対し、マーティー(1985年のアメリカ人)が「何を言っているんだ、日本製は最高だよ」と返すというシーンがあります。
これこそまさに、日本人が誠実に商売をしてきた結果だと言えるでしょう。

また、以前、テレビ番組でインタビューを受けていた、日本で爆買いをしていた中国人は、「日本の商店には(中国や韓国とは違って)偽物が置かれていないから安心してブランド商品を買うことができる」と発言していました。

このような事例は枚挙にいとまがありません。
誠実さから来る“信用”と“安心”。これこそが商売を長続きさせ、繁栄を維持していくための最大のカギなのでしょう。
そう考えると、やはりAMAZONは、業績が好調な今の内に、マーケットプレイスに大ナタを入れて、怪しげな業者や違法な海賊商品を一掃し、誰でも安心して買い物ができる環境を整えていかないといけないと言えるでしょうね。

「士魂商才」を目指して

実のところ、WebマーケティングやSEOを生業としている弊社も、AMAZONの現状を他山の石とすべきだと考えています。

Web業界は、経営基盤が脆弱なベンチャー企業が多いということもあり、儲けるためには手段を選ばない企業が珍しくないとされています。
かつて、クライアントのサイトにペナルティが科される危険性を無視して、目先の利益のためにブラックハットSEOを勧めまくっていたSEO会社などもありました。
現在ではそのような企業は大分淘汰されたとはいえ、その当時の経験から、Webマーケティング、SEOといった業種に悪印象を持つクライアント様もいるかと思います。
そのようなクライアント様たちの認識を好転させるためにも、グロップマーケティングは誠実に、愚直に頑張りたいものです。

「日本資本主義の父」と称される渋沢栄一氏が、かつて「士魂商才」という生き方を提唱したことがあります。
これは、正しく生きるために必要な「士魂(武士のような崇高な精神)」を持った上で、生活のための糧を得るのに必要な「商才」も身につけるべきという言葉です。
簡単に実行できることではないと思いますが、心のどこかに「士魂商才」を刻んで、それを実現できる企業を目指していきたいものです。

もし、弊社の事業内容に興味をお持ちの方がおられましたら、お気軽にお問い合わせください。

執筆者:M.S