Web検索を使わない子供たち ~Webサイトの次に来るもの

「最近の10代、20代の若者達はWeb検索をあまり利用しない」
そのような声が聞かれ始めたのは、数年前のことだったでしょうか。

現在では、ビジュアルが評価に大きな影響を及ぼす、ファッション、グルメ、レジャーなどの情報についてはInstagramで、リアルタイム性が重視される情報についてはTwitterで、とSNSの特性を活かして情報検索するのが若者の常識になってきているようです。

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実際、おじさん世代の私でも、電車が遅延したときの情報収集にTwitterを使ったりしますので、この流れはデジタルネイティブ世代ならではの知恵と言えるのかもしれませんね。

Web検索の黄昏?

ただ、この傾向が強まった理由は、単なる適材適所というだけでもないようです。

子供の頃から情報の洪水にさらされ、情報を取捨選択するセンスを磨いてきた彼らにとって、Google等の検索エンジンが提供する検索結果は、「商売気が強すぎ」「おすすめ30選とか多すぎ」といったネガティブな感情を刺激するものとなっているとも聞きます。

企業をはじめとするさまざまな団体や個人が、SEOに血道を上げ、検索結果に介入し続けてきた結果、それを否定する世代が出てくるというのはなんとも皮肉なことですね。

SNSを活用するという選択肢

とはいえ、「Web検索を使わない層」を放っておくわけにはいかないのがマーケッターの性というもの。
SNS検索をメインにする層が出てきたのであれば、SNSを利用して集客をすればよい、という考えに至るのは理の当然と言えます。

ですが、商業色の強さを嫌ってSNS検索をしている層に対し、商売っ気満々の広告をぶつけても効果が出るはずはありません。
実際、Yahoo!のサジェスト機能で「Twitter広告」を調べてみると、4番目に「Twitter広告 消す」が出てくる程度には、SNS上での広告が嫌われていることが分かります。

このように直接的な広告が効果を示さない場合に役立つのが、企業公式アカウントを用いたファン獲得(ブランディング)となります。
フォロワーにとって役立つ情報や直接的な利益(プレゼントやクーポンなど)を継続的に提供することにより、フォロワーからの支持を増やし、自社製品の宣伝・販売へとつなげていくという方策です。
また、ハッシュタグの工夫をし、見込み客となるユーザー層に自社アカウントの投稿を見つけてもらいやすくするという施策も定石だと言えます。

SNSの性格差に配慮した投稿

フォロワーを増やすためには、SNSへの投稿を行っていく必要がありますが、この際、SNS毎の性格の差を考えた投稿をしていく必要があります。

例えば、育児に疲れた新米ママが夕食についての投稿をする場合を考えてみましょう。

Twitterでは「昨晩の赤ちゃんの夜泣きで今日はぐったり。夕食はスーパーで買ってきた特売弁当ですませちゃう。パパごめんね!」といった本音の発言が中心となります。
一方、Instagramでは「育児で疲れているけど、今日は気合いを入れて豪華なディナーを作っちゃった!」とインスタ映えする手間のかかった手料理の写真が投稿されます。
そして、Facebookでは「近所のママ友で集まって、忙しいときでも簡単に作れるおかずの作り方教室を開きました」といった投稿になったりします。

このように、SNSを活用する場合は、場の雰囲気を意識した投稿が必要とされます。
とはいえ、最初から効果的な投稿を行うのは簡単ではありませんので、自社アカウントを開設した直後などは、投稿内容やハッシュタグの選定について、専門家にアドバイスをもらってみるとよいでしょう。

Webサイトがなくなる日

上記のような検索行動を取る若者達が歳を取り、社会を動かす中核的な存在となったとき、現在のようなWebサイトは存在しなくなるのではないか、そのような推測をしている人達も存在します。
VR/AR技術が進歩し、眼鏡型の情報端末を使って、視界に入った商品を簡単に注文できる、そんな時代になったら、Webサイト(ECサイト)は無用の長物になるのではないか。

その予測自体は、思考実験として面白いと思います。
ただ、私個人の考えとしては、多少形は変わるにせよ、Webサイト自体がなくなるということは、そうそうないのではないかと思っています。
何故かと言えば、SNS検索にせよ、来たるべきVR/AR端末からの注文にせよ、その受け皿となる場所はWebサイトにならざるを得ないと考えるからです。

SNSは、その性質上、発信者個人の属性や思想が強く反映された、わずかな量の情報を扱う場であり、体系だった情報を集積する場にはなりづらいものです。
また、VR/AR端末からの直接注文というサービスが将来的に実現したとしても、どの店で、いくらで買うのかという決定が欠かせない以上は、何らかの形でECサイトを利用せざるを得ないでしょう。

そのように考えていくと、Webサイトが急速に廃れるということは、近い未来の範囲内ではそうそうないだろうと推測できるわけです。

また、Web検索についても、すぐに廃れるものではないと思われます。
理由は簡単で、なんだかんだ言っても、GoogleやBingなどの検索サービスが提供している検索結果は情報がまとまっていて見やすいものではあるからです。

SNS検索には結構クセがあり、加えて現時点では検索結果の精度は高いとは言えません。

これは私が先日経験したことですが、Twitterのトレンドに、私が子供の頃に放映されたテレビアニメのタイトルが入ってきたことがありました。
「なんで今頃?」と思い、Twitterの検索機能を使ってトレンド入りの理由を探ってみたのですが、無関係な投稿が大量にヒットするばかりで、結局、その時点ではトレンド入りの理由を知ることはできませんでした。

このように、SNS検索は、検索対象によって向き不向きがかなり強く出る検索方法であるため、現状では汎用的に使えるWeb検索の対抗馬とはなり得ないと言ってよいでしょう。

ただ、既出の通り、SNS検索も特定の用途においては非常に有効であり、今後も若者層中心に活用されていくものではありますので、マーケッターの端くれとしては、目が離せない要素だと考えています。

最後に、最近Web検索を軸とした集客に陰りを感じられているお客様がおられましたら、是非、SNSを活用した集客も検討してみることをオススメします。
弊社ではSNSアカウントの運用サポートやキャンペーン運営なども請け負っていますので、興味を感じられましたら、一度、お問い合わせください。

執筆者:M.S