Web広告に追跡されなくなる日は近い?

リターゲティング(リマーケティング)広告をご存じでしょうか。

以前に訪れたサイトで扱っていた商品の広告バナーが、無関係の別のサイトでもしつこく表示されるアレ、と言えば「ああ、あの広告か」と腑に落ちる方も多いと思います。
興味がある商品の宣伝であればともかく、実際には興味がなかったり、既に購入済みの商品の宣伝が頻繁に表示されることも珍しくなく「あの広告嫌いなんだよね」と言われる方も結構多かったりします。

そのリターゲティング広告が消滅する可能性が高くなってきたというのが今回の話題。

アップル、Safari 13.1であらゆる第三者Cookieをブロックへ。クロスサイトトラッキング防止徹底
https://japanese.engadget.com/jp-2020-03-24-safari-13-1-cookie.html

去る3月24日、MacやiPhoneの標準ブラウザであるSafariがアップデートされ、リターゲティング広告の技術的な基盤であるサードパーティ(第三者)Cookieが完全にブロックされることになりました。
Macはともかく、iPhoneに関しては使用している人がかなり多いため、このアップデートによるWeb広告業界への影響はかなり大きくなるものと考えられています。
実際、リターゲティング広告の大手であるCriteo社の株価はかなり下がってきているそうです。

ここでサードパーティCookieについて簡単に解説しますと、Web閲覧に用いているPCやスマホの内部に保存されている、閲覧者の行動履歴を記録したファイルのこととなります。
なお、「ファーストパーティ」は閲覧中のサイト「セカンドパーティ」は閲覧者のことを指します。

これまではファーストパーティ(閲覧中のWebサイト)の側からサードパーティCookieにアクセスができたため、Webサイト側はサードパーティCookieに保存されているセカンドパーティ(閲覧者)の過去の行動履歴を参照して、閲覧者の趣味や嗜好、年齢、性別などを推測し、条件に合ったバナー広告(リターゲティング広告)を配信できたわけです。
今回、SafariがあらゆるサードパーティCookieをブロックしたことにより、Webサイト側から閲覧者の行動履歴を確認することができなくなりましたので、システム的にリターゲティング広告は無効になるわけです。

実は、これまでにもSafariはサードパーティCookieに対する制限を徐々に強化していましたが、広告配信側も制限の技術的な穴をついてリターゲティング広告を有効にしてきており、イタチごっこが続いていました。
ですが、今回のアップデートにより、これまでのようにリターゲティング広告の配信システムに小改造を加える程度では対応ができなくなり、全く新しい技術を開発するか、リターゲティング広告を諦めるかという状況になってきたようです。

サードパーティCookieのブロックは、昨年の時点でFirefoxが行っていましたが、Firefoxのブラウザシェアがさほどでもないこともあり、大きな影響はありませんでした。
ですが、iPhoneを擁するSafariが制限を強化したことにより、広告配信業者も座視を続けられない状況になってきたと言えるでしょう。

背景にあるのは個人情報保護の強化

この流れは一過性のものではなく、さらに強化されていくことが既に分かっています。
現在、ブラウザシェア一位であるGoogle Chromeも2022年にはサードパーティCookieをブロックする予定であり、そうなれば現状のリターゲティング広告はほぼ完全に息の根を止められることとなります。

収益の大きな部分を広告収入に頼っているGoogleが、数年先とは言え、サードパーティCookieのサポート停止を決めた背景には、EU一般データ保護規則(GDPR)やカリフォルニア州の消費者プライバシー法(CCPA)など、各地で進むWeb上での個人情報保護強化の流れがあります。

参考)Criteo に GDPR 捜査のメス:固唾を飲んで見守るアドテク業界
https://digiday.jp/platforms/gdpr-investigation-criteo-line-sand-ad-tech/

また、日本でも欧米ほど厳しい内容ではありませんが、個人情報保護法の改正案にてCookieの取り扱いの厳格化が図られています。

【一問一答】「 個人情報保護法 改正案 」とは?:日本版 GDPR/CCPA といえるのか
https://digiday.jp/publishers/proposed-amendments-to-the-act-on-the-protection-of-personal-information-in-japan-in-2020/

ただ、サードパーティCookieも完全な悪者というわけではなく、下記の記事に書かれているような利点もあります。
Cookieの持つ長所、短所をうまく調整した新技術が出てくると良いのですが、現時点では先行きははっきりしないようです。

サードパーティ Cookie 制限で考えうる「二次被害」リスト:広告ターゲティングだけではない
https://digiday.jp/publishers/cookie-collateral-damage/

何にせよ、リターゲティング広告に関しては、今後は先細りしていくことになるでしょう。
そうなれば、これまで以上にリスティング広告や純広告などの価値が増してきますし、ファーストパーティ(クライアント側)が持つ会員情報などの活用も重要になってくるでしょう。
今後は、各種広告の特性を把握し、クライアント様の状況に合ったマーケティング手法をトータルプランニングできる業者の重要性が高まってくると思われます。

もし、現在のマーケティングの手法や効果に不満をお持ちの企業様がおられましたら、是非、弊社にお声がけをいただければと思います。
GROPグループの総合力と、これまでの各種広告運用の実績と経験を活かして、ご満足のいただける提案をさせていただきます。
ということで、いつものように最後は宣伝にて終了~😁

執筆者:M.S